意外と知らない!?結婚式・披露宴で両親が挨拶するタイミング
結婚式でのご両親の役目・役割として、結婚式に来てくださった皆様へのご挨拶があります。本日は、ご両親のご挨拶についてお話しますね。
披露宴でのご両親の挨拶回りのタイミングは?
挙式当日、新郎新婦は主役ですから、ご自分たちのことで手一杯です。とくにお式が始まるまでは、衣装などの準備で、来てくださった方たちにご挨拶するのは難しい状態。
そこで、集まってきたゲストの方たちに、一番はじめにご挨拶をして回るのがお母様の役目となります。
「今日はどうもありがとうね」と、控え室に集まってきたご親戚に声をかけたり、受付を担当してくれるご友人などにも、一言、お礼を述べておくといいですね。
そして、披露宴が始まったら、お客様のテーブルをまわってご挨拶するのも、ご両親のお役目。大抵は挨拶がてら、お酌してまわることが多いですよね。
日本は古くからお酒を酌み交わすことで、お互いに心を開き、腹を割って親しくなるという風習があります。
そのため、結婚式というお祝いの席でも、お酒を勧めることで、「今後とも花嫁花婿をよろしくお願いします」
というご両親のお気持ちが込められているわけです。
この話をお母様たちにすると、お母様からこんな声が上がります。
お酌するときビールをこぼさないか心配……
私、お酒が飲めないのに、返杯されたらどうしよう
いえいえ、そんな心配はいりません。
披露宴というと、ビールの瓶を片手にお酌をして回るご両親の姿が浮かびがちですが、必ずしもお酌をする必要はないのです。
ビールの瓶をテーブルには置かないで、グラスでサービスする式場もありますし、ワインやシャンパンだったら、お酌はできないですよね。
大事なのは、
私は、新郎(新婦)の○○の母でございます。本日は息子(娘)のためにご列席賜りありがとうございます
とテーブルへご挨拶にいくことが目的です。
そこで“お酌しなくちゃ”と気負うことはありませんから安心してください。テーブルをまわるときは、結婚式に参列してくださった方たちに、心を込めてお礼を述べ「子供たちを今後も支えてあげてください。どうぞよろしくお願いします」
というご両親のお気持ちを素直に表現すれば、それで良いのです。
披露宴でお客様のテーブルへ挨拶に行くタイミング
では、どのタイミングでお客様のテーブルへご挨拶に行けばいいのでしょうか。
それは、乾杯のあとの祝宴がはじまり歓談タイムに移ってから。
オードブルや前菜がサービスされ、ゲストが食べ終わったくらいのタイミングをスタートにしましょう。(ご進行が変わってスピーチなどが乾杯後に入ったり、映像が流れたりする場合もありますから、会場担当さんにタイミングをお声掛けいただけるようお願いしておくとスマートです)
乾杯のあとすぐだと、ゲストの方たちもまだ落ち着いていません。さあ、食べようというときに挨拶に来られてしまっては、なかなか食事も進みませんよね。
タイミングは重要です。
さて、いざテーブルをまわるとなったとき、ご両親が戸惑ってしまうのがまわる順番です。
一番はじめにどのテーブルをまわるのがマナーとして正しいか、ご存知ですか?これ、意外とご存知ない方もいらっしゃいます。
披露宴でテーブルをお酌にまわる順番
順番は以下の通りです。
- 自分の来賓、ご友人のテーブル
- 相手の来賓、ご友人のテーブル
- 相手の親戚のテーブル
- 自分の親戚のテーブル
この順番でテーブルをまわり、ご自分の席に着きます。
回っている途中で、スピーチなどイベントが始まってしまわれたら、途中でも一旦席につかれて、歓談になられたら続きを回るようにしましょう。一気に行こうとされなくて大丈夫です。
ひと昔前は、結婚式となると親戚一同が総出で参加し、ご近所の人もお手伝いに来たりして、みんなでお祝いをしたものです。
子供たちも参加しますから、大人のすることを見て、自然とそういう風習が身についていきましたよね。しかし、核家族化が進み、親戚付きあいも希薄になってきた現代では、結婚式でのご両親の役割を知らないお父様、お母様も増えてきました。
結婚式は一つのけじめ。若い2人が新しい家族を作っていくその日に、ご両親が来賓の方たちにきちんとご挨拶をすることは、とても大切です。
とくに相手のご来賓の方たちは、どんな人と結婚するのか、知らないこともあります。
そういう場合は、お相手のご両親のほうからご挨拶に来られると、“ああ、きちんとしたご家庭に育ったお嬢様、息子さんなのだな”と思う方もいらっしゃるでしょう。
「ステキな結婚式だったね」
いらした方たちが、そう思ってくださる結婚式にするには、お父様、お母様のそうした陰の心遣いや役割が影響していることも、忘れないでくださいね。
また、お子様のご結婚を機に、フォーマルのマナーについてもぜひチェックしてください。ご結婚式でのご衣裳選びに自信がない方、迷われている方は、以下のリンクをご参考にしてください。
フォーマルファッションマナーに即したドレス選びのポイント解説しております。
M&Vスタッフの編集後記~J子のつぶやき♪
小谷さんから、今回のお話を聞いたときのひとコマ。
披露宴でご両親がテーブルを挨拶してまわるのにも、ちゃんと順番があるのよ。
なるほど、まず自分の親戚からですかね?
身内からまわってどうするのよ!
あ、そうでした。(汗)
まず最初は、自分の側の来賓からスタートよ。それから相手の来賓のテーブルをまわります。
お相手の来賓席にもご挨拶するんですよね。
トーゼンです!
でも、こうしたマナーをわかってテーブルをまわっているご両親は、案外少ないかもしれませんね。
そうしたご両親のマナーについても、今後この直伝コラムでどんどん発信していきましょう。
お読みいただいている皆様、とくにお母様、お父様は、これからもこのコラム、見逃せませんね。
M&Vスタッフの編集後記
テーブルを回る順番には諸説があります。
小谷さんの上のブログでは、自分の側の来賓から回るとなっていますが、お相手の主賓を一番最初に回るという地域もあります。
これは旧来の日本の結婚式で用いられてきたマナーで、自分の側のほうは後に回り、まずはお相手の側を尊重するという日本ならではの謙譲の美徳から来ています。
現在では、小谷さんのおっしゃるように自分の来賓のほうを先に回るケースが増えていて、ゼクシーのようなウエディング雑誌でも、自分側の主賓から回ると書かれていることがあるそうです。
こうしたマナーも時代とともに変わってきており、相手を重んじるというマナーの風習も変わりつつあるのだと思います。
地域によってマナーやしきたりが違うこともありますので、お相手のご家族とも相談なさって、どういう順序でご挨拶に回るかを、あらかじめ決めておくことが一番大切だということでしょう。
また、式場によってもいろいろだそうなので、ご結婚式を挙げられるお式場ではどういうルールを推奨しているのかをお聞きいただいくのも良いかと思います。
さらに、お酌についても少し追記させていただきます。
お酌は、小谷さんのブログにもあるように、しなくても構いません。
ただ、お祝いの席でお酌して回るのが慣例になっている日本では、お式の雰囲気によっては、ビール瓶を片手に挨拶しないと、場が和まなかったり、格好がつかない場合もありますよね。
その場合は、お父様、お母様のどちらがお酒を注いで回るのがいいのでしょうか。
実は、それも諸説あります。
古くからの日本の結婚式は畳みの大広間で行われていました。
そうした結婚式では、女性が給仕をするのが普通でした。その影響でお酌も女性がするというしきたりが残っている地域もあります。
一方、ホテルや結婚式場で披露宴を行うという結婚スタイルが広まってからは、お酌はゲストをもてなすためのお父様の役割になっていきました。
さらに、そこへお酌は男性がするもので、女性が酒瓶を持って注いで回るのはタブーという西洋のマナーも日本に入ってきました。
特に、ワインの瓶は女性が手にするものではなく、必ず男性に注いでもらうのが正しいマナーと西洋では言われています。
このように結婚式のスタイルの変化に伴って、マナーも和洋折衷になっていき、いろいろな説が出てきているようです。
最近ではマナーにこだわらないカジュアルな結婚式が人気ですから、そこまで厳密に考えることもないのかもしれません。
ただ、お母様、お父様世代としては、こうした時代の変遷に伴って日本のマナーも変わりつつあることを知識として知っておくことが、若い人たちへの手本にもなるのではないかと思います。
その上で、あえてカジュアルダウンするというのが、一番格好いい大人のあり方のように思いますが、いかがでしょうか。
お子様のご結婚を機に、フォーマルのマナーについてもぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。
また、ご結婚式でのご衣裳選びに自信がない方、迷われている方は、以下のリンクをご覧ください。
フォーマルファッションマナーに即したドレス選びのポイント解説しております。
この記事を読んだ人は
こんな記事も読んでいます
- M&V for mother 直伝 "親の心得"
- M&V for mother 直伝 "親の心得"
- M&V for mother 直伝 "親の心得"
婚礼屋 小谷由美子(こたに ゆみこ) 石川県加賀市出身 アトリエ「カーロカーラ」代表 19歳の時に巫女さんのアルバイトから婚礼業界に。誰より愛ある結婚準備サポートをするために、オーダーメイドのウエディングサポート、ドレスサロンなど併設したブライダルサロンを活動の中心に、ウエディングコーディネーター育成、婚礼新規業態開発なども手がける婚礼のプロフェッショナルとして全国を駆けまわっている。 wecoウエディングコーディネーター/マネージングエディターとして、自由な結婚式を応援するウエディングコーディネーターを紹介するwebサイト&マガジンも発行。一般社団法人 日本の美しい花嫁をつくる会の監事として日本の婚礼啓蒙活動も行う。