式場選び、親だからこそできるアドバイスは?
新緑が美しい、爽やかな季節ですね。
5月、6月は結婚式が多い季節ですが、
この時期に式場選びをなさるカップルもいらっしゃると思います。
そこで、今回は、お子さんたちが式場を選ばれる際、親御さんとして、お子さんたちにアドバイスしていただきたい点について、お話させていただきますね。
どこで結婚式を挙げるかを決めるというのは、2人にとっていちばん最初の共同作業です。理想の結婚式を思い浮かべて、式場選びをはじめるわけですが、実は、式場を選ぶときに大切なことの1つに、「ゲスト目線に立った式場選び」ということがあります。
ゲストの方たちが挙式の日を、心地よく、快適に過ごせるかどうか。そうした視点から式場を選ぶことも、結婚式に参加していただく側としては必要な配慮の1つでしょう。
式場までのルートはわかりやすいかどうか
たとえば、ゲストの方たちがちゃんとその式場に辿り着けるかどうか。
意外かもしれませんが、実はそういったことも大きなポイントなんですよ。
最近では、隠れ家的なレストランや郊外やリゾート地での一軒家で行うウエディングが、若い人の間ではとても人気です。
でも、そういう式場は、わかりにくい場所にあることもしばしば。
駅から10分かかる所だったら、複雑な道順の場合、迷う確率はかなり高いですからね。
道に迷われて遅刻したら、そのゲストの方も気まずい思いをしてしまいます。
もちろん招待状とともに地図をお送りしますけれど、目印となるコンビニがなくなってしまったり、招待状を送ったときとお式の当日とでは街の様子が変わる場合もあります。
さらに、遠方からご親族やお友達がいらっしゃる場合は、なおさら注意が必要。電車などの交通も含めて、式場までの道順をわかりやすくお知らせすることが大切です。
ご両親も式場へ下見に行ってみる
私がプロデュースする結婚式では、最寄駅に案内するスタッフを配置します。
駅の改札を出たところで、さて、どっちに行くんだろうと地図を片手に戸惑うことがないよう、「○○家、○○家、ご挙式会場はこちら」というようなパネルを持ってご案内します。
「この信号を渡って、次の角をまっすぐ行って…」と、案内してもらえる安心感。とくにご高齢のゲストの方にとっては、それがとてもありがたいんですよね。
こういったアドバイスを、ぜひ、ご両親のほうから新郎新婦にして差し上げてください。
若いお二人だけで式場を選ぶと、自分たちの好みや希望ばかりを優先して、なかなかゲストにまで気を配ることができないものです。
式場が決まったら、ご両親はまず一度訪ねていただくのがいいでしょう。自分たちがスムーズに式場まで行ければ安心ですよね。
ゲストにお体の不自由な方は?
さらに、ご親戚に体の不自由な方がいらっしゃる場合は、その配慮も大事。
新郎新婦のおばあさま、おじいさまの中には、車椅子や杖をお使いになる方がいらっしゃるかもしれません。
車椅子の方がご親族に一人でもいらっしゃったら、式場がバリアフリーになっているか、ユニバーサルトイレがあるか、そういったことも考える必要が出てきます。
もし、そうした設備が施されていなかったら、車椅子や杖を使われるゲストはとても困りますよね。どなたかのご介助がないと、お一人ではトイレにもいけなくて、恥ずかしい思いをされるかもしれません。
最近はお祖母様が参加する結婚式も増えています。
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式場選びは、花嫁さんが主導となって選ぶことが多いですけど、花嫁さんの挙げたい式場に決めてしまって、そのあと新郎側のご親戚に体の不自由な方がいらしたなんてことになると、後の祭り。早くにそれを知っておけば、こういう式場は選ばなかったのに……、となることもあるのです。
ご自分の親族のことはよくわかっていても、相手のご親戚のことまでは知らないですよね。
新郎新婦にご親族の情報を伝えるのもご両親のお役目
故郷を離れて東京に出てきているカップルだと、仕事が忙しくて、ここ5,6年は帰省していない、なんてこともあります。
そうなると、ご親戚の状況を把握していないケースもあるわけです。
「おじさん、去年、脳溢血で倒れてから手がちょっと不自由なのよ」
「えっ、そうだったの? 知らなかった」
こんなことも出てきます。
手がご不自由なために料理を楽しんで食べることができないゲストの方も、なかにはいらっしゃるかもしれませんよね。
ですから、ぜひご両親に、そのあたりのフォローをしていただきたいのです。
式場選びは、先ほども言ったように、花嫁さんの希望で決まることが圧倒的ですから、
とくに娘さんをもつ親御さんは、
彼のご親戚で車椅子の方はいらっしゃらないの?ちゃんと彼のほうのゲストのことも確認しなさいよ
と、一言、声をかけてあげてほしいですね。
その一言で、娘さんはご結婚で舞い上がっている気持ちをいったん落ち着かせて、冷静にゲストの方たちのことも考えた式場選びができると思います。
お祝いに来てくださるみんなが不愉快な思いをせずに、
「ああ、すてきなお式だった」
と思ってくださることが、一番ですよね。
スタッフJ子のつぶやき
先日、新郎のお母様としてブライダルマザードレスをご試着にいらしたお客様で、お体を患われ、現在治療中という方がいらっしゃいました。挙式に出席なさるのはご心配だとのことでした。
それでも、どうしてもお母様に結婚式に出て欲しいという息子さんの心遣いで、できるだけ身体に負担をかけないように家から10分の式場に決められたそう。
お見かけしたところ、とてもお元気で、お肌も白く健康そうに見えたので、お話を伺って、びっくりしてしまいました。
そして、息子さんのお母様を思う心にとても感動しました。
式場選びは、もちろん新郎新婦のご希望は大切なのですが、ご参列いただく方たちのことも配慮なさって選ばれることが大切だなあと、しみじみ感じました。
若いお二人にとって結婚式は初めての体験ですから、自分たちのことで精一杯で、なかなかゲストの方たちのことまで気配りが行き届かないものです。
そんなとき、ご両親からの堅実なアドバイスをいただくと、お子様たちも心強いのではないかと思います。
では、次回のコラムも、ご両親にとってプラスになる内容をお届けいたします。
またぜひ読みにいらしてくださいね。
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婚礼屋 小谷由美子(こたに ゆみこ) 石川県加賀市出身 アトリエ「カーロカーラ」代表 19歳の時に巫女さんのアルバイトから婚礼業界に。誰より愛ある結婚準備サポートをするために、オーダーメイドのウエディングサポート、ドレスサロンなど併設したブライダルサロンを活動の中心に、ウエディングコーディネーター育成、婚礼新規業態開発なども手がける婚礼のプロフェッショナルとして全国を駆けまわっている。 wecoウエディングコーディネーター/マネージングエディターとして、自由な結婚式を応援するウエディングコーディネーターを紹介するwebサイト&マガジンも発行。一般社団法人 日本の美しい花嫁をつくる会の監事として日本の婚礼啓蒙活動も行う。